こちら、湯畑の湯樋、全景画像です。
長さ40m。幅45cm、高さ18cmの湯樋が7本流れております。
枠全体の面積にしたら、126平方メートルとなります。
湯樋の材質は、岩手産のアカマツの木を使用してます。
水湿に強い木材で、浴槽などにも使われております。
湯畑で出来る湯の花、その仕組みについてご案内したいと思います。
湯樋の傾きについて
NHK「サンドのお風呂頂きます」という番組で、湯の花採取について放送されておりました。
湯樋の傾きは0.6度と言われておりました。
また、100mに対し1m下がった傾きというのも聞いた事もあります。
逆三角関数で計算しますと、
アークタンジェント atan(1/100)=0.5729°
約0.6度という計算になりますね。
結局、同じ傾きという事ですね。
先人の知恵で試行錯誤の末、最も湯の花がたまりやすい角度になったそうです。
これより、傾き過ぎても、平ら過ぎても湯の花は出来ないという事ですね。
ここで、湯の花が年に3回採取されます。
各旅館や、お土産屋さんに配られるのは数十個だけ。
とても希少なものです。
湯の花の成分とは
湯の花は、温泉に含まれる硫化水素が空気の太陽の光によって、参加され結晶化した硫黄です。
化学式は、以下の様になります。
2H2S + O2 → 2H2O +2S
湯の花の主成分は、硫黄で1998年8月に採取した、
湯の花100g中の分析結果は以下の通りです。
硫黄 97.57g
水分 2.40g
その他微量成分 0.03g
ナトリウムイオン
カリウムイオン
カリシウムイオン
マグネシウムイオン
鉄イオン
マンガンイオン
アルミニウムイオン
銅イオン
鉛イオン
塩素イオン
硫酸イオン
温泉に含まれるコロイド状の硫黄
草津温泉での湯もみは、お湯の温度を下げる目的もありますが、
温泉に含まれる硫化水素より硫黄に結晶化させる事により、上の画像の様な単体硫黄(α硫黄)S8にて、コロイド状となります。
これにより、皮膚を保護してくれるので熱い温泉でも入り易くなるとの事です。
この湯樋は、2010年に新しくなりました。
こちらは、古い湯樋の断面です。
断熱材が入っており、温泉を冷めにくくしております。
湯畑での温泉の臭いについて
よく、草津温泉にいらした方で、硫黄臭いと言われる方がいらっしゃいますが、実は硫黄について臭いはしません。
温泉に含まれる硫化水素ガスの臭いです。
特に、ここ湯畑では湯の花をつくる為、硫化水素ガスが多く出ておりますので、その臭いがするのかと思います。
湯畑の臭いは、脳に効く!?
明石家さんまさんの「ホンマでっか!?」という番組で、
草津温泉に取材にいらした事がありました。
湯畑で香りがする硫化水素臭ですが、
脳科学の澤口先生によりますと、
驚きの効果があると、放送されてました。
硫化水素は神経細胞が死ぬのを防ぐ効果があるとか!
かおり風景100選
この湯畑での硫化水素臭について、
2001年には、環境省より「かおり風景100選」に湯畑が認定されました。
「硫黄の湯けむりの臭い」とありますが、これも疑問ですね。
「硫化水素ガスの含まれた湯けむりの臭い」が正しいのでしょうか。
私は学者ではないので、間違えていたら申し訳ございません。
もし、草津温泉にいらした際、湯の花採取をしているところを見かけましたら、湯畑源泉のお風呂に行くのをお薦めします。
こちら、千代の湯です。
とろっとろの湯の花いっぱいの白濁の湯を楽しめます。
あと御座之湯も湯畑源泉を引いているので、こちらもおすすめです。
湯の花採取体験
年に1回、12月上旬頃に湯の花採取体験も行われます。
湯の花 売店で好評販売中
湯の花は、当館売店でも1個1400円にて販売いたしております。
湯の花は、普通にユニットバスに、スプーン1杯から2杯を溶かしながら入れて入浴します。
まだ、ガーゼに入れて溶かす方法もあります。
追い炊き式のお風呂では、釜を傷めますので、使用なさらないでください。
尚、湯の花は、希少な為、売り切れとなっている場合があります。
ご了承くださいませ。
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草津スカイランドホテル・栖風亭(せいふうてい)