草津森の癒し歩道ロイヤルコースで見つけた可憐な花「クマイチゴ」
当ブログでは、草津温泉で咲いている花のすべてを図鑑にする事を目指しております(笑)
まだまだ、知らない花がいっぱいあると思いますが、たまたま、新発見の花を見つけました。
今回は、当ホテルより徒歩10分ぐらいで行ける
草津森の癒し歩道ロイヤルコースで出会った花を紹介させて頂きます。
標高1200mに位置する草津温泉の周辺では、
豊かな自然の中に四季折々の植物が息づき、
訪れる人々の心を癒してくれます。
白い風鈴のような可憐な花。
先日、初夏の風が心地よいロイヤルコースを散策していた際、
静かに森の中で存在感を放つ白い花を見つけました。
まるで白い風鈴のように、うつむき加減に咲く姿がとても愛らしく、
透き通るような純白の花びらが鮮やかな森の緑と見事に調和していました。
この花の正体は、「クマイチゴ(熊苺)」。
バラ科キイチゴ属に分類される植物です。
クマイチゴの特徴と魅力
「イチゴ」と名前がついていますが、一般的なツル性のイチゴとは異なり、背丈のある低木です。
茎には小さな棘が点々と生えており、葉はまるで手のひらを広げたように深く裂けた形をしています。
葉の縁はギザギザとしていて、独特のフォルムが特徴です。
このクマイチゴは、北海道から九州までの日本の山地に広く自生しており、
ここ草津のような冷涼な気候の場所でも元気に育っています。
春から初夏にかけて白い花を咲かせ、夏には赤く熟した甘酸っぱい実をつけるのが楽しみな植物です。
その実を熊が好んで食べることから「クマイチゴ」と名付けられたと言われています。
現在はまだ可憐な花が咲いていますが、夏には赤い実が実る姿もぜひ観察してみたいですね。
何故、花が下を向いているのか?
さて、このクマイチゴの花を見て、皆さんは不思議に思いませんでしたか?
多くの花が上向きに、あるいは横向きに咲く中で、
クマイチゴの花はまるでシャイな人のように、そっと下を向いて咲いています。
この「お辞儀」しているような咲き方には、実は自然界の厳しい環境で生き抜くための、巧妙な知恵が隠されているのです!
考えられる理由はいくつかあります。
雨から大切なものを守るため
草津のような山間部では、お天気は変わりやすいもの。突然の雨も珍しくありません。
花が下向きに咲くことで、花粉や蜜といった、植物にとって命の営みに欠かせない大切なものが、
雨粒によって洗い流されてしまうのを防ぐことができます。
まさに、自然の傘のような役割を果たしているのですね。
虫たちを優しくおもてなし
クマイチゴの花は、ハチなどの昆虫たちに蜜の場所を知らせ、
受粉を手伝ってもらいます。下向きに咲いていることで、
虫たちは花の奥へとスムーズに潜り込みやすくなり、効率よく蜜を吸い、
同時に花粉を体に付けてくれると考えられています。
虫たちにとっては、まるで居心地の良い隠れ家のような構造になっているのかもしれません。
効率的な花粉散布?
少し専門的になりますが、下向きに咲くことで、
熟した花粉が重力によって自然に落ちやすくなり、
風や訪れた虫の動きによって、
より広範囲に花粉が運ばれやすくなるという説もあります。
何故、実は上向きになるのか?
花の時期が終わると、何故か実が上向きとなります。
これも、疑問が膨らんで来ますね。
それには、こんな理由がございます!
種子の散布と成熟
一方、実が上向きに伸びるのには、種子を効率的に散布するための工夫が施されています。
動物に見つけてもらいやすい
実が上向きに熟すことで、鳥や熊などの動物が視認しやすくなり、
食べられた後に種子が遠くへ運ばれる確率が高くなります。
-食べやすい配置
実が上向きにあることで、動物がスムーズに食べられる形状となり、種子の拡散に役立ちます。
日光を浴びて成熟促進
上向きに成長することで、実が十分な日光を浴びることができ、
糖分の生成が促進され、より甘く熟すことができます。
カビや病気のリスク軽減
実が地面近くにぶら下がっていると、湿気がこもりやすく、
カビや病原菌の影響を受ける可能性が高まります。
上向きに伸びることで、風通しが良くなり、病気のリスクを軽減できるのです。
自然界の巧妙な戦略に驚き!
このように、花は「受粉と保護」のために下向きに咲き、
実は「種子の散布と成熟」のために上向きに伸びる—まさに
植物が生き残るために進化した知恵の結晶です。
何気なく見過ごしてしまいそうな自然の営みも、
少し視点を変えるだけで、こんなにも奥深い戦略が隠れているのですね。
草津森の癒し歩道ロイヤルコースでは、
このような自然の不思議を身近に感じることができます。
お越しの際には、ぜひ足元の植物にも目を向けてみてください。
新たな発見があるかもしれません!
草津森の癒し歩道ロイヤルコースで自然を満喫
草津森の癒し歩道ロイヤルコースは、鳥のさえずりや風の音に包まれ、
緑豊かな風景の中で心身ともにリフレッシュできる素晴らしい場所です。
散策しながら、足元にひっそりと咲く可憐な花々を見つけるのも楽しみのひとつ。
今回ご紹介したクマイチゴも、立ち止まってじっくり観察すると、その美しさをより深く感じられるでしょう。
当ホテルにご宿泊の際には、ぜひロイヤルコースまで足を延ばし、
草津の豊かな自然と、そこに息づく植物たちとの出会いをお楽しみください。
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草津スカイランドホテル・栖風亭(せいふうてい)