草津温泉の安全な入浴法について

温泉の入り方について、
「これが正しい！」というのは、人それぞれの考え方や、
医学的に研究された入り方など、いろいろあります。

温泉ソムリエ、温泉観光士、温泉入浴指導員の勉強したり、
草津温泉に住んでいて、いろいろな方々から聞いた話などを
取り混ぜて紹介したいと思います。

日本での交通事故者数は、
平成２１年度で４,９１４人と言われております。
ところが、入浴事故による死亡者数は、なんと約１５,０００人！
交通事故者の約３倍とも言われております。

こちら、群馬県内の温泉地で死亡された方の人数です。

　　　　　　　　　出典：温泉療法　久保田一雄著

こちらは、平成２１年１月１日～１２月３１日まで、
草津温泉の消防署より、入浴事故により救急車で搬送れた方の数です。

やはり、高齢の方は、特に温泉や入浴の仕方を注意して頂ければと
思います。

この様な入浴事故をより、少しでもなくして行きたいと思い、
温泉観光士、温泉ソムリエ、温泉入浴指導員として、
温泉の入り方をご紹介したいと思います。

○まず、大事なのは水分補給と休憩です。

「やっと、ホテルに着いたぞ！さぁ、すぐに温泉に入ろう♪」

「いやいや、いけません！」

電車やお車でお越しの後は、体が疲れております。
疲労を回復する為に、疲労物質「乳酸」を排出しようとします。
すぐに入浴すると、全身に血がめぐり、疲労箇所への血流量が減ってしまい、効率良く疲労回復がされません。また、血液がドロドロ状態になっており、脳梗塞、心筋梗塞、入浴後の脳貧血などになる危険性もあります。
お部屋についたら、お茶やお茶菓子で水分補給とエネルギー摂取をして最低でも３０～６０分以上は休憩してから温泉にお入りください。

そして、温泉入浴後も、体がカラカラ状態！

ご入浴後も水分補給が必要です。

また、ポカリスエット等は、体液に近い組成の電解質溶液のため、失われた汗に含まれるナトリウム、カリウムなどすばやく吸収されます。

チェックインしてからすぐに温泉に入り、食事を終えてから立ち上がった時、夜中にトイレに行って用をすまして立った時、脳貧血や立ちくらみで倒れる方もいらっしゃいます。特に温泉に入った後は、水分補給が大切です。

○かけ湯　かぶり湯
温泉の泉質、温度を体に慣らす為、心臓から遠くから手、足先から
十分にかけ湯をしましょう。
また、草津温泉の共同浴場は、温泉の温度が４４～４６度ぐらいに
なっている場合もございます。地元の町民や、湯治でいらしている方は、
このぐらいの温度が丁度いいものなのです。
もし、こちらの熱い温泉に入る場合は、
湯あたりしない為にも、頭の後頭部に数十杯のかぶり湯をしましょう。

○ゆっくり入り、ゆっくり上がる
お風呂に肩まで入ると、全身にかかる水圧は５００ｋｇと言われております。
足　→　腰　→　胸　→　肩　とゆっくり入りましょう。

また、上がる時も、
肩　→　胸　→　腰　→　足　とゆっくり上がりましょう。

急に上がって、立ち上がると、５００ｋｇの水圧から一気に解放されるので、立ちくらみや、脳貧血になる可能性があり、バタンと倒れる方もいらっしゃいます。

○転倒にご注意
草津温泉の泉質で、洗い場、浴場内の床が滑りやすくなっている事がございます。以外と転倒事故も多いとの事です。
冬など、「寒い寒い、急いで入ろう！」と、浴槽まで走っていくと、
転んで後頭部を打った、骨折した等の事故もございます。
なるべく小さな歩幅で、足の裏全体をくっつける様な気持ちで
落ち着いて浴槽まで歩いて行って頂きたいと思います。

○その他
一人で入らない。飲酒後は入浴しない。
朝の入浴についても十分気をつける。（出来れば避ける）
血圧の高めの方、心臓の弱い方などは、胸までの入浴にする。
特に高齢の方は、気をつけて頂きたいと思います。

○最後に
冒頭から入浴事故による死亡者数など、おそろしい話をさせて頂きましたが、お客様により安全に、そして安心して草津温泉にお入り頂きたく書き込みをさせて頂きました。

是非、安全な入浴法で、薬効豊かな草津温泉をご堪能頂ければと思います。

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