真夏の青空の下、浅間山の麓に広がっていたのは、見渡す限りのキャベツ畑。
燦々と降り注ぐ太陽の光を受け、大きな葉を幾重にも広げたキャベツが、
まるで嬉しそうに育っておりました。畑の中には、丸く締まった立派な玉も見られます。
そろそろ収穫され、皆様の食卓へ旅立つ日を待っているのでしょう。
🥬 夏秋キャベツ日本一の産地・嬬恋村
嬬恋村は、夏から秋に出荷される「夏秋キャベツ」の一大産地です。
標高約700~1,400メートルの高原地帯に畑が広がり、
年間およそ20万トンものキャベツが生産されています。
最盛期には、1日に2,000トンを超える量が出荷されることもあるそうです。
2,000トンといわれても、なかなか想像しにくいものです。
キャベツ1玉を約1.25キログラムとして換算すると、なんと約160万玉。
たった1日で、それほど多くのキャベツが全国へ送り出される計算になります。
広大な畑を眺めると、まさに「日本一の産地」という言葉にも納得です。

山並みの麓まで続くキャベツ畑は、嬬恋村ならではの高原風景です。
🥬 なぜ、嬬恋キャベツは甘くてみずみずしい?
嬬恋高原キャベツのおいしさは、高原ならではの自然環境によって育まれています。
第一の理由は、夏でも涼しい気候です。
キャベツの生育に適しているとされる気温は、およそ15~20℃。
標高の高い嬬恋村では、平野部が暑さに包まれる季節にも、
キャベツが健やかに育ちやすい涼しさがあります。
第二の理由は、昼夜の大きな寒暖差です。
日中は太陽の恵みをたっぷりと受け、夜になると高原らしい涼しさに包まれます。
この寒暖差によって、甘みのある、
シャキシャキとしたキャベツに育つといわれています。
第三の理由は、朝露と豊かな雨です。
水を多く必要とするキャベツにとって、雨の多い気候や高原の朝露は大切な恵み。
葉の一枚一枚に、みずみずしさが蓄えられていきます。
そして、もう一つは黒い土。
嬬恋村には、浅間山などの火山に由来する「黒ボク土」が広がっています。
火山灰を含み、水はけが良いこの土も、
キャベツ栽培に適した環境を支えています。
涼しい気候、昼夜の寒暖差、朝露、雨、そして大地。
嬬恋キャベツの一玉には、高原の自然がぎゅっと詰まっているのですね。

太陽の光を浴びて、丸々と育ったキャベツ。葉には張りがあり、
みずみずしさが伝わってきます。
🥬 実は約35品種!全部同じではありません
畑一面に並ぶキャベツを見ると、どれも同じ種類に見えるかもしれません。
ところが嬬恋村では、その土地の標高や収穫時期などに合わせ、
およそ35品種ものキャベツが栽培されているそうです。
葉が柔らかく、千切りやサラダなどの生食に向くもの。
しっかりとした葉を持ち、ロールキャベツなどの煮込み料理に向くもの。
それぞれに個性があります。
嬬恋村では、キャベツを「玉菜(たまな)」と呼ぶこともあります。
苗を植える作業は「玉菜植え」、収穫は「玉菜切り」。
日本一の産地だからこそ、暮らしの中に根づいた親しみのある呼び名なのでしょう。

大きな外葉に守られながら、畑の中でしっかりと結球しています。
🥬 直売所で出会えたら幸運!「幻のキャベツ419」
数ある品種の中には、嬬恋村周辺でしか、
なかなか出会えない珍しいキャベツもあります。
その名は、「419(麗峰)」。
レタスを思わせるほど柔らかな食感を持つ一方、葉が繊細で割れやすく、栽培や輸送が難しい品種です。
そのため一般の市場にはあまり出回らず、「幻のキャベツ」とも呼ばれています。
「419」という少し不思議な名前は、品種として世に出る前の試作番号が、
そのまま定着したものとされています。
直売所に並んでも、早々に売り切れてしまうことがあるそうです。
もし見つけることができたら、
まさに旅先ならではの嬉しい出会いですね。
WHERE TO BUY
🥬 幻のキャベツ「419」を買えるところ
公式サイトなどで取扱いを確認できた販売先をご紹介いたします。
生産量が少なく人気も高いため、早い時間のご来店がおすすめです。
直売所・通信販売
羽生田売店
「まぼろしのキャベツ419」を看板商品として販売する高原野菜直売所です。収穫最盛期には、販売開始から短時間で売り切れることもあるほどの人気。朝採りトウモロコシや完熟トマトなども並びます。
営業時間:9:00~16:00
営業期間:7月~10月下旬頃
定休日:営業期間中は無休
電話:0279-84-6866
※オンラインショップから購入できる場合もあります。
直売所・通信販売
久保農園直売所 北軽井沢店
「元祖 麗峰419」を掲げ、長年にわたって419を販売している北軽井沢の直売所です。野菜のほか、果物や地元の商品も取り扱っています。
営業時間:9:00~17:00
電話:0279-84-5035
※公式オンラインショップでも、麗峰419が販売される場合があります。
道の駅・農産物直売所
八ッ場市場(道の駅 八ッ場ふるさと館)
草津温泉から渋川・東京方面へ向かう帰り道に立ち寄りやすい農産物直売所です。公式案内では、希少な419キャベツを7月上旬頃から11月下旬頃まで取り扱うと紹介されています。
営業時間:8:30~18:00
419の販売時期:7月上旬~11月下旬頃
電話:0279-83-8088
ご購入前にご確認ください
419は収穫量が少なく、店頭に並んでも早い時間に完売することがあります。天候や生育状況によって入荷日・販売期間・営業時間が変わる場合もございますので、確実に購入したい方は、ご来店前に各店舗へお問い合わせください。
草津温泉の旅の帰り道に、出会えたら幸運な一玉。
驚くほど柔らかな419を、ぜひ食卓で味わってみてはいかがでしょうか。
🥬 収穫は、まだ夜が明けきらない早朝から
嬬恋キャベツの収穫は、気温の低い早朝から始まります。
畑では、一玉ずつ育ち具合を見極め、包丁を使って丁寧に切り取ります。
朝露をまとった新鮮なうちに箱へ詰め、全国各地へ出荷しているのです。
私たちが何気なく手に取る一玉のキャベツ。
その背景には、まだ暗いうちから畑に立つ生産者の皆様の、
たゆまぬ努力があります。
そう思いながら味わえば、いつもの千切りキャベツも、
少し特別な一皿に感じられそうです。

丘の向こうまで続くキャベツの葉。整然と広がる畑は、緑の絨毯のようです。
🥬 新鮮な一玉を見分けるポイント
直売所でキャベツを選ぶ際は、次のようなところを見てみましょう。
- 葉の緑色が鮮やかで、みずみずしい
- 外葉に張りがある
- 切り口が新しく、変色していない
- 持ったときに、その大きさに見合った重みがある
夏の嬬恋キャベツは、まず生のまま味わうのがおすすめです。
千切りや塩もみ、浅漬けはもちろん、大きめにちぎって味噌を添えるだけでも、
みずみずしさと自然な甘みを楽しめます。
加熱するなら、豚肉と重ねて蒸したり、芯ごと大きく切って焼いたりするのも良いでしょう。
芯にも甘みがありますので、薄く切って炒め物やスープに使えば、
一玉を余すところなく味わえます。
🥬 草津温泉の帰り道に、直売所へ
草津温泉へ向かう道路や、嬬恋村周辺をドライブしていると、
農産物の直売所を見かけることがあります。
直売所では、生産者から届いた朝採れのキャベツや、
その時季ならではの高原野菜が並びます。流通の過程が少ないため、
新鮮な野菜を産地ならではの価格で購入できることも魅力です。
嬬恋高原キャベツの主な出荷時期は、6月中旬頃から10月下旬頃まで。
直売所も7月から10月頃を中心に営業しますが、
}営業日や時間、入荷状況は店舗や天候によって異なります。
嬬恋村周辺の直売所を地図で探す
お出かけ前には、地図や各店舗の案内で最新の営業情報をご確認ください。
また、畑は生産者の皆様の大切な仕事場です。見学や撮影の際は畑の中へ立ち入らず、
農作業車の通行を妨げない安全な場所からお楽しみください。

夏雲が浮かぶ空と、どこまでも続くキャベツ畑。
爽やかな高原ドライブを楽しめる景色です。
🥬 温泉旅行の思い出を、食卓へ
旅のお土産というと、お菓子や工芸品を思い浮かべますが、
産地で出会った新鮮な野菜も、意外に喜ばれるものです。
「これは、あの広い畑で育ったキャベツなんだよ」
そんな旅の話と一緒に渡せば、浅間山の麓を渡る涼やかな風まで、
食卓へ届くような気がいたします。
草津温泉からのお帰りには、少し足を延ばして嬬恋村の直売所へ。
高原の太陽と朝露、そして生産者の皆様の愛情に育まれた、
旬の嬬恋キャベツを味わってみてはいかがでしょうか。
参考資料・関連情報
※営業期間や営業時間、商品の入荷状況などは変更される場合があります。お出かけ前に各施設の最新情報をご確認ください。
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